帝王切開は出産じゃない!?楽って本当?リスクと術後の痛み。そして覚悟

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そもそも帝王切開は本当に楽なのでしょうか?昔から帝王切開に関しては様々な意見が述べられています。産んだ本人ですら「本当は下から産んであげたかった」とか「お産を経験してない」など思い、帝王切開になった事を悔やむ女性もいらっしゃいます。

私は、双子で帝王切開を選び、出産をしました。胸を張って「産んだ!」と思っていますが、そんな私も「陣痛なくて楽でよかったね」や「産んでないじゃん!」などと心無い言葉を投げられて傷つき苦しんだ時期がありました。

本当の帝王切開のリスクとお母さんの覚悟、出産後の傷と痛みについて、経験を元にまとめたので1人でも多くの人に正しい知識を持って頂きたいと思います。

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◆帝王切開になるお産

帝王切開になるケースは下記のように母体や胎児に問題があった時に適応されます。私は多胎妊娠に当てはまり、予定帝王切開で37週3日で出産しました。

【帝王切開になる主な理由】
児頭骨盤不適合、前置胎盤、妊娠高血圧症候、逆子、双子や三つ子などの多胎妊娠
予めリスクが予想される理由から計画的に行う予定帝王切開と、経膣分娩でのお産が始まってからトラブルが起き、緊急に帝王切開に切り替える緊急帝王切開があります。

◆帝王切開のリスク

帝王切開をする場合、本人&家族に同意書のサインを求められます。

その内容は、ざっくり述べると、手術による大量出血が予想されるので出血多量で母体に危険性がある。癒着により周辺の臓器の損傷もあり得る。麻酔の後遺症&合併症にかかるかもしれない。メスを入れる事で赤ちゃんに傷がつく場合がある。この4つでした。

正直、同意書にサインをする時は少し戸惑いました。ある程度のリスクは予想していましたが、最後の赤ちゃんに傷がつくかもしれない??それは嫌だと。それに麻酔や薬剤で赤ちゃんに悪影響を与えたら?と不安は募るばかりでした。

今の医学では帝王切開での母体の死亡率は限りなく低いですが、0パーセントではありません。もしも、術中に自分に何かあったら、赤ちゃんに永遠に会えなくなってしまう可能性もあるので、慎重に慎重に家族と話し合いました。

◆帝王切開の副作用&合併症

帝王切開の場合、麻酔は脊椎麻酔・硬膜外麻酔・全身麻酔のいずれかになりますが、問題が無ければほとんどが硬膜外麻酔です。

局所麻酔についてのメリットは、意識があるので赤ちゃんの誕生を間近で感じることが出来ることでしょう。緊急帝王切開で全身麻酔となった場合は赤ちゃんに会えるのは目が覚めた後となります。

しかし局所麻酔も副作用はもちろんあります。嘔気、嘔吐、頭痛、めまい、神経損傷による麻痺。私の友人では麻酔による低酸素血症になってしまった方もいました。

また、帝王切開後に深部静脈血栓症が見られる人が多く、そのまま肺血栓塞栓症になる人もいます。

◆帝王切開の術後の痛み

帝王切開後は、傷の痛み&子宮収縮の痛み(後陣痛)&精神不安定でボロボロでした。

傷の痛みについては背中からモルヒネを入れていました。そして食事も採れないので腕には点滴が。トイレも行けないのでカテーテルの管が入っていました。下肢には静脈瘤にならないようストッキングがまかれています。

傷については痛みが強い時には更に薬を頂いてしのぎました。しかし、子宮収縮については痛みどめの薬は効かないそう。双子妊娠でしたので、かなり広がった子宮が一気に戻る感覚がもう言葉に出来ないくらい痛くて死にそうでした。

当日は傷が痛くて、起き上がる事も、寝返りを打つことも、笑うこともできませんでした。

そして、次の日から鬼のスパルタリハビリが始まります。昨日お腹を切り開いたんですけど・・とツッコミたくなりますが、腸閉塞や深部静脈血栓症を予防するためにはとにかく動いた方がいいので新生児室に赤ちゃんを迎えに行ってーと言われ点滴の棒を杖にしてヨロヨロと歩きました。

赤ちゃん達のお世話ももちろん待ったなし!代わりにお世話してくれる人はいません。母親と言うのは不思議なものですね。どんなに傷が痛くても赤ちゃんの為なら立ち上がれます。夜中も2人合わせて何回起きるんだーとくじけそうになりましたが何とか乗り切りました。

最近の産婦人科はお祝い膳と称して産んだお母様達にご馳走の料理を提供してくれる所がたくさんあります!しかし、帝王切開の私のご飯(?)はこちらでした。↓

ドリンク3つ(笑)十分がゆとすまし汁とお茶・・。ご飯食べてないけどママ頑張ります!

傷の痛みは大体3か月程で落ち着いて来ました。私は運がよく術後の経過も良かったので、今では傷も薄く細い横線が入っているだけです。中には体質や術後のケアによってケロイドになってしまってしまう人もいます。傷口が開いてしまったなんて怖い話も。

◆帝王切開を選択する勇気

自分が病気の訳でもないのにお腹を切り開く!これってかなり勇気がいることだと思います。子供の為なんだから当たり前だよと言う人もいますが、私はそうは思いません。

だって切り開くんですよ!(2回目(笑))

大量出血や手術中のトラブルで死ぬかもしれない。無事に産まれた後も癒着や傷の再発で子育てが満足に出来ないかもしれない。考えだしたらキリがないですが、そんな覚悟もした上での選択です。

帝王切開を躊躇したことで、間に合わず亡くなってしまった赤ちゃんもいらっしゃいます。赤ちゃんの命を考えたら理想の出産って何だろう?って思いますよね。どんな出産方法でもいいから無事に産まれてきて欲しい!と思うのではないでしょうか。

昔であれば助からなかった命が、医学の進歩により今は生きられる選択肢が出来るのだから、帝王切開は安全に赤ちゃんをこの世に誕生させてあげられる素晴らしいお産だと思います。

◆帝王切開に対する心無い言葉

近年、帝王切開に対する間違った認識は少しずつ改善されていますが、それでもやはり「陣痛を経験してない=楽」「産道を通っていない=産んでいない」「帝王切開=お腹を切って取り出しただけ」と帝王切開は楽と考える人達がいます。

特にまだ出産を経験していない人や普通分娩を経験した人達から、大変といっても陣痛の痛みを乗り越えて産んだ人よりは楽でしょ?という意見が出る時があります。

悪気はないのでしょうが、出産時の話になった時によく「もーつらすぎてお腹切ってくださいって頼んだよ-」「陣痛無かったなんて超楽じゃん。羨ましい。」と何気なく話す一言が帝王切開を経験した人達にはとても傷つきます。私は性格が悪いので、「本当に切ってもらったらよかったのに。そしたら帝王切開後の痛みを経験してもらえたのにな。」と思います(笑)

そんな私も確かに帝王切開前は、切るのは楽なものだと勘違いをしていました。なので周りからは「願いどおり帝王切開だから楽でよかったね」「あの痛み(陣痛)を経験してこそ母親は強くなるのに」「手術室じゃ感動半減だね」「えー、産んでないじゃん。もう1人ちゃんと産みなよ」と言われました。しまいには「陣痛経験してない母親は虐待に走る人もいるから気を付けてね」とも。元々楽そうだと周りに話していたので自業自得ですね。

冗談交じりの会話なので、空気を壊さないよう笑ってその場をしのいでしまった自分も悪いのですが、後できちんと反論すればよかったと後悔してとても苦しみました。

私はこの子達に胸を張って産んだとは言ってはいけないのだろうか。陣痛を経験して産道を通って産まれてきてなければ母親づらしてはいけないのだろうか。この先、少しでも子供に冷たくしたりする時があったら、やっぱりね。っと言われてしまうのだろうか、と。

この時はまだ「本当は普通分娩で産んであげたかった」という思いが強く残っていたので余計にそう感じてしまっていたのかもしれません。

でも今では比べるものではないと思っています。普通分娩も帝王切開もどちらも命がけで産んだ出産です。どっちが楽かなんて低レベルな事を競い合うものではありません。

出産方法なんて帝王切開でも普通分娩でもどりらでもいいから、とにかく赤ちゃんが無事に産まれてきてくれて本当に本当によかったと思えます。

◆まとめ

帝王切開は口で言うほど簡単なものではありません。どのお母さんも命をかけて産んでいます。母体と赤ちゃんの安全を第一に考えてその選択をした気持ちには愛がたくさん詰まっています。どうか赤ちゃんを無事に産んだことに誇りをもって、胸を張って出産したと伝えて下さい。

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